路地裏で見つけた珈琲の名店
神保町駅から徒歩数分。 石畳の路地裏にひっそりと佇むのが「ラドリオ」。

昭和24年創業、70年以上の歴史を誇る老舗喫茶です。
レンガ造りの外壁とステンドグラスの窓が印象的で、 一歩足を踏み入れると、まるでヨーロッパの古い酒場のような雰囲気。

お昼過ぎに訪れたこの日も、店内はほぼ満席。
静かに流れるクラシックと、カップを置く小さな音が混ざり合い、 それぞれが思い思いの時間を過ごしていました。

実食レポート:名物ウインナーコーヒー(650円)
ラドリオといえば、やはりウインナーコーヒー(650円)。
実はこのお店が、日本で初めて提供したと言われる“元祖”の味です。
注文してしばらくすると、ふんわりとしたクリームがたっぷりのったコーヒーが登場。

表面にはやわらかな泡立ちがあり、見た目からして上品で優しい印象。
スプーンですくうと、なめらかなクリームがとろりと落ち、 ひと口飲めば、まずはそのまろやかさに驚かされます。
深煎りのコーヒーの苦味と、ふんわり甘いクリームのバランスが絶妙で、 一杯の中に“苦味・甘味・香ばしさ”が綺麗に調和。
冷めても味がぼやけず、最後まで香り高い余韻が続きます。
まさに、長年愛されてきた理由がわかる味わいです。
静けさの中にある、人のぬくもり ラドリオの魅力は、コーヒーだけではありません。
木のカウンター越しに見えるマスターの姿、 落ち着いた照明、心地よく流れる時間
そのすべてが“物語の中にいるようなひととき”をつくり出しています。
満席の店内なのに、なぜか静かで落ち着ける。
きっとそれは、この場所に流れる70年分の「人のぬくもり」が息づいているから。
路地裏でそっと息づく名店「ラドリオ」。
今日もまた、変わらない香りとともに、静かに時を重ねています。
